表現を刺激するデザイン
使うたびに気分が高まる
ひとつの映像を作り上げる。そのすべてのプロセスにおいて、創造力を刺激する存在でありたい。フィルム時代を代表する「FM2」は、まさに撮影する真の楽しさを伝え、多くの人々に愛されてきたカメラです。そのFM2の信念を受け継ぎ、インスピレーションを得て洗練された外観デザインとダイヤル操作により、自分の思いが作品へと生まれ変わるのを実感できる Z f。ペンタプリズム部に採用した1970年代から80年代のカメラと同じNikon ロゴ、シャッターボタンや操作ダイヤルの感触など、細部にまでこだわり抜いたこの1台が、目にした瞬間、触れた瞬間から、表現への探求心を掻き立てます。
名前に込められた哲学
Z f の「f」には「Fusion=融合」という意味が込められています。 それは、過去、現在、未来の融合だけででなく、70年以上にわたるニコンの革新と精緻なものづくりの伝統、最先端のフルサイズミラーレス技術の結び付きを表しています。また「f」は、ニコンの歴史において象徴的なモデルであることも意味しています。
触れることで、創造性を刺激する
手にした瞬間から、撮る道具としての本格感が味わえます。シャッターボタンや電源スイッチをはじめ、シャッタースピード、露出補正、ISO感度の各ダイヤルには、質感の高い真鍮を採用。各ダイヤルのクリック音と感触は、試作と調整を重ね、使いやすさと心地良さを追求しています。また、撮影をサポートしながらもデザイン性に優れたグリップや、触り心地と質感を向上した人工皮革、押し心地を重視したシャッターボタンも特長のひとつ。細部へのこだわりが、上質な操作感を実現します。
自分らしさを叶えるプレミアムエクステリア
違いを楽しむことは、大切なこと。Z f の「プレミアムエクステリア」では、5色のカラー展開で自分らしさを表現できます。セピアブラウン、インディゴブルーの表情豊かな2色の定番カラーのほか、ストーングレー、モスグリーン、サンセットオレンジの深く温かみのある3色のネイチャーカラーをご用意。人工皮革部分の張替は、グリップから画像モニターの背面まで対応します。ぜひ、お気に入りのカラーで、自分らしさを表現してみてください。
表現の可能性を拡げる機能・性能
光と影で自分だけの世界を作り上げるモノクローム
写真の要は光です。被写体への光のあたり方、影とのコントラスト、そして現れる個性的な瞬間。モノクロームは単に白と黒の世界ではありません。光と影の純粋な質感で表現し、形と奥行きというシンプルなグラフィック要素で構成される世界。情報が少ないからこそ、これまでにない視点が生まれ、表現の可能性が拡がります。
Z f のピクチャーコントロールでは、シャープでダイナミックな高コントラストの「モノクローム」に加え、影から光へのグラデーションが滑らかで、中間調が豊かで温かく柔らかい印象の「フラットモノクローム」、中間調は暗めながらシャドー部の黒つぶれを抑えてダークトーンを再現する「ディープトーンモノクローム」を搭載。「ディープトーンモノクローム」では、赤の感度が高く青の感度は低いという、特徴的な階調特性・感色性で、陰影感を高めながら青空は暗く、赤い花や唇は明るめに描写できます。インスピレーションが湧いたときには、静止画/動画セレクターをカチッと回すだけで、カラーの世界からモノクロームの世界へと、一気に意識を切り換えられます。
自分の色を表現する ーピクチャーコントロール/Creative Picture Control
一人ひとりのクリエイターが持つ個性を、目の前のシーンに反映できます。自分のイメージに合わせて色みや表現を変更できるピクチャーコントロールやCreative Picture Controlは、簡単に設定できるだけでなく、適用した効果を画像モニターですぐに確認可能。その時々で違う感情、雰囲気、温度感やトーンを自分らしく伝える、美しい静止画や動画を実現します。さらに、Creative Picture Controlの効果の適用度は、0~100の範囲で好きな色みに調整できるため、直感的に、より細かな作り込みが可能です。
リッチトーンポートレート
Z f のピクチャーコントロールでは、白とびを抑えながら豊かな階調で人物の肌を表現する「リッチトーンポートレート」を搭載。人物の肌を明るく滑らかにする従来の「ポートレート」に比べ、より肌のディテールを残せるため、レタッチして仕上げる際のベース画像にも適しています。
新次元のディテール — ピクセルシフト撮影
天井画をはじめとする建築装飾の細かなディテールや美術品の緻密な色彩、昆虫や鉱物の精緻な構造などを、想像を超える没入感と質感で表現できます。Z f はピクセルシフト撮影により、モアレや偽色、ノイズを抑えた新次元の解像度と忠実度で、様々なシーンを撮影できます。4コマ、8コマ、16コマ、32コマと撮像素子の位置を微妙にずらしながら撮影することで、より正確な色情報を得ることが可能。16コマ、32コマでは約9600万画素という圧倒的な高解像度が得られます。撮影したRAW(NEF)画像は、NX Studioを使用して合成できます。
合成した際の画質が最も良くなる32コマの撮影がおすすめです。
ピクセルシフト合成した画像の画質を向上させるために、ピクセルシフト撮影前に[ピクセルマッピング]を実行することをおすすめします。
自由度が高く、情感豊かな動画表現
映像に圧倒的没入感を
鋭いディテールが際立つ映像で、見る人の注目を集める作品を。Z f は、通常の4K UHD動画を超えるシャープな解像力を実現しています。有効画素数2450万画素のフルサイズセンサーから6Kの画像データを読み出しオーバーサンプリングで4K UHD※に変換するため、被写体をよりシャープに描写することが可能。撮影シーンの臨場感が、さらに高まります。
※4K UHD 30p/25p/24p、撮像範囲[FX]時のみ対応。
幅広いポストプロダクションの選択肢で自分だけの動画表現を追求
どんなシーンも、思い描いた美しい色で描写できます。カメラからの撮って出しでも、ポストプロダクションでのグレーディングでも、Z f ならスタイルのある魅力的な動画が得られます。しかも、外部レコーダーは必要ありません。カメラ内で[H.265 10-bit(MOV)]の4K UHD動画を[SDR][N-Log][HLG]で記録できるので、ポストプロダクションに必要な豊富な情報量を持つ映像を撮影可能。旅先で出会った風景の微細なディテールやストリートの高コントラストなシーン、窓際の柔らかい光で撮った人肌の質感も、意図した通りの情感で仕上げられます。
長時間記録が可能な4K UHD 60p※1で、すべての瞬間を捉える
動きのある被写体を美しく、風になびく髪の毛などの細部を描きたい時に、4K UHD 60pはその動きをきれいに捉えます。24pで出力すると2.5倍のスローモーションになるため、瞬間をドラマチックに演出することも可能。長時間にわたるシーンでは、どの瞬間も逃すことがないよう、4K UHD 60pで最長125分※2まで記録できます。
※1 撮像範囲[DX]時のみ対応。
※2 [H.265 8-bit(MOV)]、自動電源OFF温度が[高]、温度23℃、Li-ionリチャージャブルバッテリー EN-EL15c使用、USB給電時。推奨カードの使用をおすすめします。
動画撮影中のシャッタースピード固定
明るさが目まぐるしく変わるようなシーンでは、シャッタースピードを固定するのがおすすめ。そんな時に活躍するのがシャッター優先オート(S)モードです。ISO感度と絞りで露出制御することで、蛍光灯下でのフリッカーを抑えることができ、暗い場所から明るい場所へ移動するシーンでも、シャッタースピードの変化によって被写体の動きが不自然にならず、自然な動画を撮影できます。
安定した手持ち映像を —手ブレ補正機能
スムーズで安定したカメラワークは、魅力的な動画に欠かせない要素のひとつです。5軸補正のボディー内センサーシフト方式VRにより、手持ち撮影時でも滑らかで鮮明な映像を実現します。歩きながら撮影する場合には、ボディー内VRと電子手ブレ補正※1を組み合わせて撮影するとより効果的。Z 9 同等の高い補正効果で、広角レンズでの撮影時に発生しやすい画像の歪みも軽減※2します。
※1 電子手ブレ補正使用時、レンズに表記されている焦点距離の約1.25倍のレンズに相当する画角になります。
※2 NIKKOR Z レンズ使用時。
きめ細かな露出制御で、よりフレキシブルに撮影
難しい光の状況下でも、露出の変化が滑らかな美しい映像を撮りたいもの。Z f はフラッグシップモデルの Z 9 と同様に、繊細な露出制御が可能となりました。MモードではISO感度を1/6ステップで細かく調整可能。明るい場所から暗い場所へ移動する際にも、滑らかに露出が変化します。さらに長秒時設定にも配慮しており、SモードでもMモードでも、シャッタースピードを最長1/4秒まで設定できます。
撮影アシスト機能で、自信を持って本格的な動画撮影を
様々な場所で動画撮影する場合、作品の質を一貫して保てるようにコントロールする必要があります。Z f は Z 9 や Z 8 と同様の優れたアシスト機能を搭載。画像モニターの画面上で映像のディテールを確認できるため、狙い通りの結果が得られます。
- アシスト表示:中間輝度領域を表示できる「ゼブラ表示」により、人物撮影の際に輝度レベルを統一。白とびも防げます。
- 「ウェーブフォームモニター」表示:構図内の白とび、黒つぶれを簡単に確認できます。
- 動画記録中の赤枠表示:録画中であることをひと目で確認できます。
- 動画記録中の拡大表示:録画中に拡大表示ができるため、ピントが合っているかを確認できます。表示倍率は50%、100%、200%から選べます。
- 動画情報表示:階調モードや出力ビット数、画像サイズ/フレームレートなどをひと目で確認できます。
自由度の高い動画アクセサリーで拡がる可能性
クリエイティブの可能性をさらに拡げる、多彩なアクセサリーに対応しています。あらかじめ Z f と接続したリモートグリップ MC-N10(別売)をARRI規格準拠のロゼットにアダプターを装着することで、三脚のパン棒やショルダーリグのハンドル、ジンバルなどと組み合わせて、露出制御やオートフォーカスなどのリモート操作が可能。表現の幅が拡がります。さらに、提携アクセサリーメーカーのカメラ用マイクロホン、ジンバル、ケージなど、多彩なアクセサリーに対応※しており、快適な動画撮影をサポートします。
※すべての動作を保証している訳ではありません。